状態
こちらのディプレッショングラスのパターンは正式にはフローラル、ですが、ポインセチアとも呼ばれ、1931年から1935年まで製造されていました。
全体的にしっかりと艶があり、ひび、かけ、われ、チップ、また特に目立つようなかきまぜ痕はありませんが、光にかざしてみると少しだけスクラッチなどの薄い使用感があるのがわかります。リムに製造工程上の丸みを帯びたライン状の凹みが3,4本ありますが、もともとの仕様になります。使用に支障はありません。
他、特筆すべき劣化があれば、お写真でもご確認頂けます。
サイズ お写真でご覧頂けます。
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ディプレッショングラスとは?
そもそも「ディプレッション」は日本語に訳すると「恐慌」ですが、みなさんは1929年に襲った「世界恐慌」についてご存じでしょうか。1920年代、アメリカは戦争需要や自動車工業の発展などにより、非常に良い景気をエンジョイしていましたが、1929年、とうとうこのバブルがはじけます。そして「ディプレッション=恐慌」時代に突入します。
ディプレッショングラスはこの恐慌時代(1929年から1940年前半)に製造されたもので、ファイヤーキング同様、スーパーで販売されていた庶民のガラス食器でした。主な製造会社はフェデラルグラス、マクベスエバンス、ホッキンググラスなどで、当時、経済的に苦しめられていた庶民がこの安価な食器を愛用することになります。
さらに経済がひっ迫する中、食品メーカーなどを中心に、この安価な食器をおまけとして購買者にプレゼントする、という傾向が強まりました。オートミールに無料でついてきたボウル、洗剤を2点購入するとプレゼントされるタンブラー、はたまたガソリンを入れるともらえるシールを12枚集めたらもらえたプレートなど、それはそれは色々な商品のおまけだったのです。ファイヤーキングのスキレットなども同様で、サイトにも掲載されていますが、小麦粉を購入したら無料でもらえるアイテムでしたし、同じくファイヤーキングのプレミアムシリーズのカップ&ソーサーは洗剤を購入したらついてくるギフトでした。
それが現代になり、このディプレッショングラスがコレクタブルとなるのです。当時ラフに使用されていた食器ですので、完品や、状態の良いものが非常に少なく、希少価値が高い、つまりコレクタブルとしての価値も高いわけです。アメリカをはじめとして熱烈なコレクターがおり、ファイヤーキングよりも平均的に高額なお値段で取引されています。暫く時間を待てば、100年の時を経て、アンティークになるディプレッショングラス、ぜひひとつ、ご自宅にお招き下さい♪
☆ディプレッショングラスは耐熱食器ではありませんので、オーブンや電子レンジなどではご使用頂けません。
☆紅茶やコーヒー程度のお飲み物の熱さであれば、普通にご使用いただけますが、冬など気温が著しく低く、ガラスが極端に冷たいときは、ゆっくりとカップを暖めてあげてからご使用下さい。